減配リスクを避けるための企業分析のポイント

投資全般

はじめに

株式投資をしていると、企業から受け取る配当金は大きな魅力です。しかし、ある日突然その配当が減ってしまう「減配」が起きることがあります。減配は株価の下落を招くこともあり、投資家にとって大きなリスクです。

この記事では、減配リスクを避けるためにどのように企業を分析すればよいのか、高校生にもわかるように丁寧に解説していきます。

減配とは何かを知っておこう

まず、「減配」とは、企業が支払う配当金の額を前の年よりも減らすことです。配当金は、企業が利益の一部を株主に還元する仕組みです。したがって、減配が起こると、その企業の業績に不安があると見なされ、株価が下がることもあります。

たとえば、ある企業が昨年は1株あたり100円の配当を出していたのに、今年は50円になったとします。これは半分に減ったことになり、投資家にとってはショックです。

1. 売上と利益が安定しているかを見る

減配を避けるためには、企業の売上や利益が毎年安定しているかをチェックすることが大切です。

企業の業績は、以下のような形で見ると分かりやすいです。

年度 売上高(億円) 営業利益(億円) 純利益(億円)
2022年 500 60 45
2023年 520 62 48
2024年 510 58 43

このように、毎年大きな変動がない企業は、減配リスクが低くなる傾向があります。

2. 配当性向を確認する

配当性向とは、企業の利益のうち、どれだけを配当に回しているかを示す割合です。

計算式はこうなります。

配当性向(%) = 配当金 ÷ 純利益 × 100

たとえば、利益が100億円ある会社が30億円を配当する場合、配当性向は30%です。

配当性向が高すぎると、企業の利益が少し減っただけでも減配になる可能性があります。目安として、50%以下なら比較的安心です。

3. 自己資本比率が高いかを見る

自己資本比率とは、企業の資産のうち、借金ではない「自分の資金」がどれくらいあるかを示す指標です。

この数値が高いほど、企業は安定していて、急な経済の変化にも対応しやすくなります。

一般的に、自己資本比率が40%以上あると、財務的に健全とされています。以下のような図でイメージできます。

自己資本比率の図
※ここではサンプル画像です。実際の画像は適宜用意してください。

4. キャッシュフローをチェックする

企業にとって「お金の流れ」、つまりキャッシュフローは非常に重要です。利益があっても、実際にお金がなければ配当を出すことはできません。

キャッシュフローは主に3つに分かれます。

  • 営業キャッシュフロー(本業の収支)
  • 投資キャッシュフロー(設備投資など)
  • 財務キャッシュフロー(借入や返済など)

特に「営業キャッシュフロー」がプラスで安定していれば、配当も出しやすくなります。

5. 過去の配当実績を確認する

企業によっては、長年にわたって安定して配当を出し続けているところもあります。たとえば、10年以上減配していない企業は、株主還元を重視していると考えられます。

配当の履歴は、企業の公式サイトの「IR情報(投資家向け情報)」で確認できます。以下のような表で表示されていることが多いです。

年度 1株あたり配当(円)
2020年 80
2021年 85
2022年 90
2023年 90

このように、毎年増配または横ばいであれば、信頼できる企業といえます。

まとめ

減配リスクを避けるためには、以下の5つのポイントをチェックすることが大切です。

  1. 売上と利益が安定しているか
  2. 配当性向が無理のない水準か
  3. 自己資本比率が高く財務が健全か
  4. 営業キャッシュフローがしっかりしているか
  5. 過去の配当実績が安定しているか

これらの指標をもとに企業をしっかり分析することで、安心して長期投資できる銘柄を見つけることができます。知識をしっかり身につけて、賢い投資家を目指しましょう。

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