NISAで注意したい「罠ファンド」の見分け方

投資信託

NISA(ニーサ)は、少額から投資を始められる制度として人気があります。でも、すべての投資信託が安心というわけではありません。中には「罠ファンド」と呼ばれる、利益を出しにくい商品もあります。今回は、そうしたファンドの特徴や見分け方を、図や表も使いながらわかりやすく説明します。


そもそも罠ファンドってなに?

罠ファンドとは、見た目は良さそうでも実際には投資家にとって不利な内容の投資信託のことです。初心者は特に注意が必要です。

たとえば、手数料が高すぎたり、値動きが激しすぎて安定しないファンドがその一例です。長期で資産を育てるためのNISAに、短期向けやリスクの高いファンドは向いていません。


手数料が高いファンドに注意

投資信託には、以下のような手数料があります。

手数料の種類 内容 注意点
購入時手数料 買うときにかかるお金 0円のファンドも多い
信託報酬 持っている間ずっとかかる費用 年率1%超えは高め
信託財産留保額 売るときにかかる費用 使ってないファンドも多い

とくに「信託報酬」が高いファンドには気をつけましょう。たとえば年1.5%の報酬があるファンドは、毎年1.5%ずつ利益が削られるということです。地味ですが長期では大きな差になります。


名前に惑わされないようにしよう

ファンド名には「◯◯成長株ファンド」「毎月分配型ハッピーリターンズ」など、魅力的な言葉が並んでいることがあります。でも、名前だけで選ぶのは危険です。

例:派手な名前に注意するパターン

  • 「成長株」→ 実際には値動きが激しい

  • 「高配当」→ 配当が安定していない場合もある

  • 「毎月分配」→ 元本を取り崩して配当を出していることもある

「分配金が毎月もらえるから安心」と思ってしまいがちですが、その分ファンドの中身が減ってしまうこともあります。


ファンドの中身をしっかり確認しよう

どんな会社に投資しているのか、どんな資産にお金を入れているのか、ファンドの中身を見てみましょう。信頼できるファンドは、どこに投資しているかがはっきり書かれています。

確認すべきポイント

  • 投資先の国や地域(国内か海外か)

  • 業種のバランス(ITばかりに偏っていないか)

  • 株式と債券の割合(リスクのバランス)

たとえばアメリカのハイテク企業に集中しているファンドは、成績がいいときもありますが、不景気のときに大きく下がるリスクもあります。


過去の成績よりも中身を見る

「過去5年間で年率10%成長!」など、成績だけで判断するのも危険です。投資は未来の成長にかけるものなので、過去の成績が良くても今後も同じとは限りません。

実際、ブームになったテーマ型ファンドは、流行が終わるとパフォーマンスが急に落ちることもあります。たとえば、過去に「AI関連ファンド」が話題になりましたが、1年で大きく落ち込んだ例もあります。


信頼できる運用会社を選ぼう

運用会社もチェックポイントのひとつです。名前が知られているからといって安心とは限りません。以下のような点を確認してみてください。

  • ホームページに情報がしっかりあるか

  • 長期運用の実績があるか

  • ファンド数がやたらと多すぎないか

急にたくさんのファンドを売り出している会社は、流行りに乗って売っているだけのこともあるので注意しましょう。


まとめ:シンプルで低コストなファンドを選ぼう

初心者がNISAで資産を増やすには、できるだけシンプルで手数料の安いインデックスファンドを選ぶのがおすすめです。具体的には、次のような特徴があるファンドです。

  • 信託報酬が0.2%以下

  • 日本やアメリカの株式市場に広く分散投資している

  • 無理に分配金を出さないタイプ

最後に大事なのは、「自分が理解できる商品を選ぶこと」です。わからないものには手を出さない、これが一番のリスク回避になります。


気になるファンドを見つけたら、すぐに飛びつくのではなく、一度立ち止まって中身や手数料をよく確認してみてください。NISAは、正しく使えばとても心強い制度です。自分のお金を守るためにも、罠ファンドを見抜く目を育てましょう。

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